VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action
今回書いた記事はありがたい話なんですが、この作品の感想紹介を是非書いて欲しいとリクエストをいただいたものになってます。
ありがたい話なので、さっそく書くぞ!
と意気込んでから、気が付けば2ヶ月くらい放置してしまっていて、改めて自分という人間のクソさを噛み締めていた限りです。
あと途中体調を死ぬほど壊していました。
皆さんも健康には気をつけてください。
夜更かしや暴飲暴食は卒業しましょう。
いや本当今年の暑さは尋常じゃないですから…
という訳で無駄に前置きが長くなりましたが、今回紹介する作品はベネズエラの
sukeban games(スケバンゲームス)から発売された
VA-11 Hall-A(ヴァルハラ)になります。
ちなみにインディーゲーです。
とりあえずなんでこの会社名にしたと1時間程追求したいところなんですけど、まあある程度予想がつく通り、日本のサブカルにかなりの影響を受けた人達が集まってできたメーカーみたいですね。
作中でもちょこちょこと色々な小ネタが出てきますし、なんだったら2chやニコニコ動画みたいな演出も出てきます。
そこだけ聞くと思わず敬遠したくなるかもしれませんが、本当に小ネタとして出てくるだけなので大丈夫。
舞台は西暦207X年のグリッチシティという架空の都市。
政治に警察組織、そして街を牛耳る財閥企業も完全に腐敗しきっていて、貧富の差も激しく治安も最悪なディストピア。
今作はそんな街にある1軒のバー
VA-11 Hall-A 通称「ヴァルハラ」のバーテンダーであるジルが主人公になります。
ストーリーのジャンルとしてはSF サイバーパンクに分類される内容ですね。
システム・シナリオ
まずグラフィック
いわゆるレトロ調のデザインをしてます。
正直ここは好き嫌いが別れる部分というか、恐らくこの雰囲気にピンと来るものが無い人は、この作品に興味を持つこともないんじゃないかと。
自分としては懐かしさもあり、好みの雰囲気をしたデザインでしたね。
それとBGMも良い曲が多くてこの作品のお洒落な雰囲気をより一層高めてくれています。
本作はいわゆるコマンド選択式アドベンチャーゲームに分類されます。多分。
普通のコマンド選択式アドベンチャーと違うのは、「見る」「調べる」「移動」といったコマンドや選択肢が本編ではほぼ無く、客にカクテルを作ることによって物語が展開していくところですね。
また、バーには
新聞社の編集長、探偵、凄腕の女ハッカー(巨乳)、殺し屋、アンドロイド、24時間365日自分の生活を配信している女、水槽に入った脳味噌、犬
など個性的なキャラが沢山やって来るので、そこでカクテルを提供していくことになります。
客からの注文は「○○が飲みたい」みたいな具体的なやつだけでなく、「甘くて冷たい物」みたいな味だけの指定だったり「男らしいカクテル」みたいな抽象的な物まで。
ここで作るカクテルは完全にプレイヤーに委ねられるので、男らしいカクテルが飲みたい客に甘くてガーリーなカクテルを作ったり、カクテルの中にアルコールを大量にぶち込んで客を泥酔させるのも自由。
ただ、客の望んでいないカクテルを出すとその日貰える給料が減ってしまうので要注意。
主人公のジルが家賃を払えなくなるとバッドエンド確定になります。
シナリオに関しては、ストーリーが進むにつれて事件が起きたりと物語が動いていきますが、ジルとお客のやり取りがあくまでもメイン。
お酒を飲みながらの会話になるので、酔った客が悩み話を始めたりするわけなんですけど、このやり取りがとても良かったですね。
仕事や家族との関係、自分の生き方に関しての悩み。
それからアンドロイドが抱える自分という存在に対しての疑問等、架空のSF世界の登場人物達の迷いは現代のプレイヤーにも充分通じる部分があって感情移入しやすかったです。
ただ会話に関してはかなり卑猥な内容も多くて
いわゆるセクサロイドのドロシーは泥酔させると客とのプレイの内容を赤裸々に話し始めますし、そもそも他の客との会話でも
セックスとかペニスとかディルドーみたいな単語がわりと頻繁に飛び出してきます。
このゲーム本当にSwitchでも発売したのか……?
といった気持ちになるんですけど
まあそんな訳でちょっとそういった表現が苦手な人は要注意ですね。
あと海外ゲーということで表現が進んでいる部分があるのか、同性愛者の登場人物もちょくちょく出てきます。
そもそも主人公のジルもバイセクシャルですしね。
主人公ジル
このゲーム最大の魅力は個人的には主人公のジルでしたね。
クールでややドライな考え方の持ち主なんですけど、根底にあるものはネガティブではないというか。
客の悩みに対してのジルの返答や考え方は納得させられる物が多くて思わず感心しましたし、
また、ジル自身もずっと抱えてる悩みを持っていて、特に彼女が過去に抱いた迷いや恐怖心に関してはめちゃくちゃ感情移入が出来ましたね。
そんなクールな彼女も自宅に帰ると飼い猫と腹話術を使って1人で会話していたり、昔はガチガチのオタクで色々と黒歴史を持っていたりとで、本当可愛いキャラしてるんですよ。
まあなんか場面場面によって微妙に顔が変わってるような気もしますが……
Time to mix drinks and change lives.
一日を変え、一生を変えるカクテルを!
というわけで、そこそこの文字数になったのでここらでまとめます。
結論から言うとかなり面白いアドベンチャーゲームでしたね。
元々この作品に興味を持っていた人は購入して大丈夫だと思います。
ゲーム性としてはアドベンチャーゲームなので物語を読み進めるのがメインということで。
物語の謎や登場人物達の行動が全て説明されるわけではないので、色々と自分で想像や考察するのが好きな人にはなおオススメって感じです。
欠点は万人受けする作風ではないことと、カクテルを作る時の操作が若干やり辛く感じた部分くらいですかね。
値段も安いのでコスパを考えたら充分すぎるクオリティじゃないでしょうか。
また、今作の続編になる
N1RV Ann-A(ニルヴァーナ)も今後発売予定なので、興味がある人は今のうちに遊んでみてはいかかでしょうか?
お酒が好きな人はぜひお酒を片手に本作をプレイしてみてください。